東大生になった息子

4月から東大生になった息子。 

1月のセンター試験は(英語のヒアリング50点除く)777点のラッキーセブン!などと喜んでいられない状況で、2月の東大二次試験に挑む。2日前に上京して前日に鼻風邪をこじらせ、病院へ付き添ったときはどうなる事かと思ったが、結果は数学が110/120点で、易化したとはいえ数学に救われた感。さすが自他共に認める数学ヲタ。

3月10日の合格発表は、正午にネット発表を確認し「受かった」と一言。自己採点で既に合格を過信していたとは言え、淡々とした様子にちょっと拍子抜け。

発表直後に予約していた学生マンションに確約の電話をして物件ゲット、怒涛のお礼参りと入学準備期間が始まる。

3月末には東京に引っ越し&入学説明会や準備など。   

4月12日の入学式は夫と二人で参加した。

3000人の新東大生と誇らしげなその父母達が、日本武道館に集結。五神真(ごのかみまこと)総長の生祝辞には、鳥肌が立った。言い淀みの一切ない、シンプルで深い、教育理念と学生達への期待の言葉。本当に聡明な人とはこういう人なのだと心底感動した。続いてノーベル生理学・医学賞を受賞された大隅良典東京工業大学栄誉教授の祝辞。日本最高学府のアカデミックな環境の一端に触れ、これからここで6年間を過ごす息子を心底羨ましいと思った。

式後、武道館から九段下駅へ続く道で待ち構えるテレビカメラの放列には驚いた。あちこちでスーツ姿の新入生とその父母が、笑顔でインタビューに応えている。ああ、天下の東京大学なんだなぁと、その注目度の高さに感心すると同時に、そこに我が愚息が入学したのだとは、依然として信じられない思いが同居した。

思い返せば、偏差値のさほど高くない私立中高一貫校で、中3から高2の夏までスマホ中毒患者だった愚息。勉強時間は定期考査時以外はほぼゼロに等しかった。本気で療養施設に送り込もうかと考えた程だ。

そんな息子が一念発起して勉強にのめり込み、一浪して東大合格を現実のものにするまで、一部始終を見てきた私としては、人間の無限の可能性を確信せずにはいられない。心に強く描いた目標や夢は、努力と信念で必ず実現するのだとリアルに実証された。

 

今年、ゴールデンウィークに帰省したときは、息子は黒縁眼鏡からコンタクトに変えて少しだけ洒落っ気が出ていた。

私は東京出張でこれまで2回程息子のマンションを訪れているが、部屋もまあまあ綺麗にして元気にやっている様子。ただ、洗濯物が溜まっているのが気になったが。連絡はもっぱらLINE。今日食べたご飯とかカードの請求書とかの画像を時々アップしてくる。塾講師のバイトも始めたそうだ。

 

こうして無事に親元を離れ、巣立っていく息子を見ると、肩の荷が半分降りて、自分の人生も転換期に来ているとしみじみ思う。特に男の子は手がかかった。反抗期は私も精神的にストレスMAXだった。今は中3の娘と、女友達のようなまあまあ良好な関係で、日々平穏な日々。娘の反抗期なんて、息子の時と比べたら可愛いものだ。猫がじゃれている程度にしか感じない。こんな日々が来るとは、子育てって悪くない、というか山あり谷ありでエキサイティングで面白い。

 

息子の東大受験と合格、一人暮らし開始から、まだ半年も経っていない事が、嘘のような怒涛の上半期だった。

子供達が、自分一人では知り得なかった、未知の世界に連れて行ってくれる。幸せな事ばかりではないけれど、想像だにしなかったご褒美が稀にあるからこそ、子育てってダイナミックで楽しいのではないだろうか。